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2011.7.15~16金沢、高岡

尼御前S.A.で、デジカメをなくしてしまうというアクシデントがありましたが、美術館、博物館を巡り、新鮮なネタの寿司と、みっけもんの金沢料理で充実の旅。と、いうわけで写真ありません。(それ以前のデータも保存していなかったので8、9の京都の写真も全滅。たくさん撮ったのに…。掲載の写真は各お店、施設のサイトなどからお借りしました。)

7月15日

北陸自動車道を経て金沢へ。

かつての港町にある、宝生寿し で昼食。おまかせのにぎり。突き出し、デザートがついて2625円。
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カウンターで、大将の魚の話など伺いながらいただくのどぐろや太刀魚、朝とれあじ、めざしてでかけた甲斐がありました。

この金沢港の周辺、大野町には醤油工場が28もあるそうです。醤油蔵、味噌蔵が50もある、といいます。空いた蔵を利用して商工会有志によって営まれている「もろみ蔵ギャラリー」。ここで醤油ソフトクリームをいただきました。
6moromigura71.jpg

午後は金沢21世紀美術館へ。
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企画展は「イェッペ・ハイン360°」
こちらからどうぞ

体験型の作品。作品のただ中に身を置いて、知覚や、感覚が揺れるのを味わう、感じ。
「見えない迷宮」がことにおもしろかったのは、作品に仕掛けられた「こう動くべし」という枠組みを、素直に受け止めて(もしくは字義通りに受け止めて)実現してしまうのか、否か、で自身の内実を垣間見る気がするからでしょう。
と言うことは、会場外に示された壁の位置を頭に入れて、ほかの人々の動きを眺めるのも楽しい、ということになります。壁を頭にたたきこみ、問題なく、障害物に阻まれずに進むことは、本当に楽しいのかしら、というふうにね。

美術館から駐車場へ戻ろうとする道々、美術館敷地に裏口が面した、九谷焼の専門店がありました。
北山堂(ほくさんどう)。
九谷焼門外漢の私たちに、作家の方々の特徴と技法を丁寧にお話して下さいました。
小鳥好きの私、買わずにこらえて帰ってくるのがつらかった小皿はこちら。
三代目三井為吉さんの作品です。
tm043007.jpg

北山堂をおいとまする時に、近そうだった「金沢能楽美術館」への道順を伺いました。
そうしたら、何ともありがたいことに、招待券を持って追いかけてくれました。解説つきで、素晴らしい九谷焼を見せていただいた上に、このご親切。次回は小皿くらい持ち帰れるよう心づもりして伺います。

「金沢能楽美術館」では、企画展「花をまとう 能を彩る植物1」を開催中。
Image_160_1.jpg
加賀藩前田家は、能楽の保護、育成を図り、庶民にも謡を奨励したということです。維新後廃れたものの、中興の祖と言われる佐野吉之助により広く市民の間に広まった「加賀宝生」、宝生流15代宗匠が金沢に移り住んだのが隆盛のはじまりだということです。
中学、高校と水道橋の宝生能楽堂の隣、というか上にある学校に通っていたので、何とはなしに親しみを感じる「宝生さん」。すぐ上に教室があった中学の頃、早朝の発声練習を耳にすることもままあり、謡のリズムも耳に親しいものとなりました。能楽の鑑賞会も宝生さんで。
閑話休題。
花をあしらった能装束は、一枚一枚が見事な美術品です。

宿泊は21世紀美術館に近いから、と選んだ「金沢エクセルホテル東急」。
香林坊にあり、立地はいいです。

こちらに宿泊したおかげで、繁華なタテマチストリートに比して地味というか、昔ながら、というか、昭和レトロな感じが濃厚な新竪(たて)町商店街をのんびり歩けました。
以前から一度伺いたかったイギリスのアンティークの店、「Ver Meer」をはじめ新たな店子による雑貨屋、靴屋、オーダージュエリーの店、天然酵母のパン屋(翌日の朝食用に持ち帰り!)などもあります。
この通り、骨董店がたくさんありますが、時間が遅かったので半分は既に閉店。
営業していた店で、染付手描きの皿を買い求めました。少し重いけれども、四角い形と19.5cm角という丁度いい大きさで使い勝手がよさそうでしたので。

新竪町のお店をあちらこちら覗いているうちに夕食に出遅れた感あり。
宿に近い木倉町で評判の店はことごとく満席。

治部煮(季節はずれ~)が食べたかったので、加賀料理、と表にでていた割烹大岩へ。
加賀料理のコースをお願いして治部煮を入れていただきました。
かつてバブリーな頃は官公庁、社用族ご用達で大繁盛の店だった、とのお話を伺いながら貸し切り状態で、いろいろなお酒を試しつつの食事。
なんせ貸し切りなので、話し好きなおかみさんと寡黙ではあるけれども人あたりのいいご主人のお話をたっぷり伺いながら、食もお酒もすすむ、すすむ。
翌朝頭痛が残らないかしら、と心配になるくらい飲みました。足もとが覚束ない感じになるまで飲んだのは本当に久しぶりのことです。
名物大岩焼きは、牛肉、鶏肉、野菜を陶板で焼いたもの。割烹料理、というには少々大味かな?
ふぐの卵を3年つけ込んで毒を抜いたもの、とか、お酒のあてをいくつかサービスして頂き有り難く、美味しくいただきました。
何よりだったのは静かに、ゆっくり過ごせたこと。ご馳走さまでした。

47554.jpg

7月16日

午前中は石川県立歴史博物館で「宮廷の雅展」と常設展を観ました。旧陸軍兵器庫だったという3棟の建物は創建時の姿を忠実に復元したものです。赤レンガの外観や木の手すりの美しい階段など建物だけでも一見の価値があります。
220px-Ishikawa-ken_History_Museum03s3s4272b.jpg

展示の中で、興味深く観たのは、宮中の慶事があった時、手土産に金平糖、ボンボンなどを入れて渡されたという銀製のボンボニエール。87e86db6722401edc90bf832ffd05a69.jpg
写真は当日の展示品とは違いますが、直径10cm内外のかわいらしい大きさに、繊細な意匠が施された工芸品です。

平常展示の棟に移動する途中、隣接する石川県立美術館のポスターを見かけました。
hokusai00.jpghokusai01.jpg
会期初日にたまたま金沢にいた、という幸運。

ホノルル美術館には、10.000点にも及ぶ浮世絵版画が収蔵されており、歌川広重・葛飾北斎などそのクオリティの高さも広く知られるところです。
 このたび、葛飾北斎生誕250周年の記念事業の一環として、ホノルル美術館以外の場所ではじめての「北斎展」を開催する運びとなりました。
 本展は、北斎デビュー時の春朗と名乗っていた時代の作品から、最晩年の作品「地方測量之図」までを、年代順に陳列し、画業を概観するものです。北斎を代表する「冨嶽三十六景」、「諸国名橋奇覧」、「諸国瀧巡り」などの揃い物を紹介するほか、日本初公開の肉筆なども含め、約160余点をご覧いただきます。(以上石川県立美術館HPより)


これだけまとめて北斎の版画を見るのははじめてのことです。上記のように肉筆画の展示もあり、北斎の天才を目の当たりにしました。

次なる目的地は富山県高岡市。そもそも、春から全国を巡回している「生誕100年南桂子展」が彼女の出身地である高岡市で開かれている、と聞いて今回の旅を思い立ったのです。「巡回展の作品以外にも、高岡市は独自に収蔵品として南桂子の作品を持っているので、行くのなら高岡!」と聞いていてもたってもいられなくなったので…。

「金沢から電車で30分」と聞いていたので、単純に富山方面に北陸道で行くのかなぁ、と思いきや、高岡市って能登半島の付け根あたりにあるんですね。

たどり着いたらちょうどお昼時でしたので、その名も「あんしんごはん」という自然食レストランへ。
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写真のように手作りのお総菜に一品ごとにグラムあたりの単価がついていて、テイクアウトもできるし、奥の座敷で食べることもできる、というお店。連れとそれぞれに選んだものをシェア。少量ずついろいろな味を楽しめてよかったです。

本命高岡市美術館へはここから車で10分ほど。

S0114110.jpg


南桂子さんの絵は、ミュゼ浜口陽三ヤマサコレクションで何点かは観たことがありましたが、これだけの点数(資料を含めて180点と収蔵品の常設展示「南桂子-スケッチブックの鳥・木・花」の40点)を観られて幸せでした。
この展覧会に先立ってミュゼ浜口陽三ヤマサコレクションでは別の切り口で2011年1月8日から3月21日まで「南桂子生誕100年記念展 きのう小鳥にきいたこと」が催されていました。その展覧会のイベントとして3月6日に生前50年代のパリで南さんと交遊のあった野見山暁治さんと後に80年代のパリに滞在することとなる堀江敏幸さんの対談がありました。その中で堀江さんが写真に写った南さんのまなざしの強さを評して「すごく空虚が何かを抱えていながら、しかもその空虚を抱えたままでもやっていけるという強い意志がないと、こういう目は生まれないんじゃないか。写真を見た時に僕がむしろ納得して、もしかしたらお描きになっている少女の目とある意味でそっくりなんじゃないかと感じました。」と、発言されていますが、たくさんの少女たちのたくさんのまなざしに、問いかけられ、心の深奥に降りていくような心持がするのは、少女の抱え持った空虚に呼応してのことだったのか、と思い至ります。
優しい、美しい、題材が童話的、などと括りきれない、ゆえに惹きつけられる何か、がある南さんの版画です。
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