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この夏いろいろその4 「歩いても歩いても」「あの日の指輪を待つ君へ」

対照的な2本の映画を観ました。
さしたる事件も、展開もなく、ある家族の夏の2日間を描いた「歩いても歩いても」と、アメリカとアイルランド、第二次世界大戦から50年を経て明かされる真実」という壮大なドラマ「あの日の指輪を待つ君へ」。

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日々の営みには、さほどドラマティックな出来事があるわけでもなく、どこにでもありそうな、でも微妙に違う、それぞれの日常がそれぞれの家庭で過ぎていくのでしょう。
溺れそうな子どもを救うために命を落としてしまった長男の命日に集った一家の2日間を淡々と撮った「歩いても歩いても」。肉親と雖も、それぞれが「個」であることを、肌で感じざるをえないちょっとした会話。記憶のすりかえ。老親の思いの伝えようと受け止める側の温度差。茗荷と枝豆のご飯、、おばあちゃんのその調理の手さばきの見事さと娘のやる気のなさ。とうもろこしの天麩羅づくりに欠かせない「器用な」息子の仕事。そのままを「私」になぞらえることができないとしても「近似値私」が近似値疑似体験を経て、何かを感じる、という映画でした。

アイルランドの米軍の戦闘機墜落現場で見つかった指輪をめぐる物語「あの日の指輪を待つ君へ」は、輝くばかりの美しさで3人の若者を虜にした女性エセル・アンが辿る人生を、彼女が生涯を共にした夫の葬儀の場面から振り返りつつ、辿ります。
彼女を愛した3人の若者の中で彼女が愛したのはテディ。3人の若者はまた固い友情に結ばれてもいます。出征前のテディは2人の住む家を友人たちの助けを借りながら建てます。2人の密かな結婚は、親友のチャックとジャックだけに見守られて見習い神父のよって執り行われます。そこでエセル・アンからテディに渡されたのが二人の名前を刻んだ指輪。そして、テディは「もしものことがあったら、エセル・アンを頼む」と友人ふたりのうち身持の堅そうなチャックに言います。その「もしも」が現実となってしまった21歳の時人生が終わった、と負傷して帰還した後彼女の夫となったチャックの葬儀の後に、その事情をまったく知らず不審な思いでいる娘に向かって述懐するエセル・アン。
ところが、テディの最期の場所、アイルランドのベルファストで、名前の刻まれた指輪を掘り出した青年ジミーが、同じベルファストの丘を爆撃テロの拠点としていたIRAのテロ組織とのからみもあって、アメリカのエセル・アンのもとに指輪を届けることになったことから、物語は新たな展開をみせます。
そこに一枚かんでくるのがベルファストの町での誠実な消防士としての一生の中で、エセル・アンはもちろん、チャックやジャックも知らないテディとの接点を持ち、その約束を果たすために墜落現場の丘を掘り続けるクィンラン。ジミーは持ち前の好奇心からクィンランの発掘を手伝っていたのですが、クィンランがテディとの約束を果たすために一役かうこととなり、エセル・アンをアイルランドへと導きます。そしてジミーの祖母エレノアは、戦争中にもかかわらず派手ないでたちで米軍兵士たちとかかわっていた過去を持ち、実はエセル・アンへの思いを断ち切るために求婚したということも知らずにジャックの写真を大切に持ち続けているのです。
物語の終盤、すべての事情を知りつつ、自らの思いも封印したまま、友人としてエセル・アンを見守り続け、彼女の娘マリーからの相談にものってきたジャックは、ジムとエセル・アンを追ってアイルランドへ。物語は新たなはじまりへの予感を持って幕を閉じます。

対照的、とは言いましたが、2つの映画に共通することがひとつ。
かけがえのない人を亡くした後に残された人々が辿る人生に落とす影。
若くして喪われた者は、愛する者にとっては年月を経ても、その最良の思いに繋がって思いおこされます。
でもそのことを身に染みて、感じている当事者も含め、時は刻まれ、日々の生活は廻っていく。
「歩いても歩いても」で、亡くなった長男が助けた少年は、命日のたびに恩人である長男の家に招かれる。「15年もたつんだからもういいんじゃない」という声を聴く耳を母は持たない。次男には、優秀でひとり家族の期待を担っていた兄の前にたたされている感じがいつまでもしている。
エセル・アンの人生が21歳で終わった、としたら、その10年後に生を受けた自分は何なの?と彼女の娘が感じるのもしごく自然なこと。娘を溺愛した父親との間に愛もなく授かった命なのか、と疑心暗鬼にもなります。人生経験を積んで、母には母の事情と封印してきた深い思いがあり、父は父で篤い友情と母への愛に生きたのだ、と了解しえた、としてもその思いは残るのではないでしょうか。
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