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「GOLD~カミーユとロダン~」

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女の芸術家の存在を認めない19世紀のパリとその時代を代弁するような母親、当初師として後に恋人として共に過ごす15年の時間を持ったロダン。既成の価値観に棹さし、母親にあらがい、ロダンと対等に、共に高め合う関係を求めたカミーユ・クローデル。
彫刻家としてごく幼い頃から天賦の才を発揮したカミーユを、あるがままでよし、として見守ってきた父。
姉の才能の理解者であったが、政府高官への道を安全に歩いていくことを願う母親に対して抗うことができなかった弟のポール。
父親は彫刻家として娘が生きていける場を得るにはパリへ出るべきだと、自分だけ家に残り、母、カミーユ、ポールをパリに住まわせる。
180px-Camille_Claudel.jpg1884年20歳のカミーユ・クローデル


ロダンには、売れない時代から、お針子として生活を支えてきた内縁の妻がいる。カミーユと二人のアトリエで同棲するようになってもこの妻を捨てることができないロダン。そして、カミーユの妊娠、中絶。スキャンダラスにその事実を噂するパリの人たち。
カミーユはロダンのもとを去り、ひとりでアトリエを借りて生活しはじめる。しかし程なく酒浸りとなり、前後不覚となることも多くなり、自分の作品を壊しはじめる。
以後30年を精神病院で過ごすこととなる病の前兆。
ただし、生涯をそんなふうに過ごさねばならなかった必然性はほんとうにあったのか否かは今となっては藪の中。

カミーユを新妻聖子、ロダンを石丸幹二、ポールを伊礼彼方が演じるミュージカルを日比谷のシアタークリエで観ました。
新妻聖子さんの歌唱は圧巻です。特に1幕最後の「人生を取り戻す」、2幕最後の「黄金GOLD」はその圧倒的な歌唱力が活かされるものでした。
(コミックが原作のミュージカル「プライド」での笹本玲奈さんとのデュエットInvocation~祈りもお聴き下さい。)
総じて浮かび上がってくるのは、人間関係と心のコントロールのままならなさでした。
カミーユの彫像制作にかける思いの源泉となるあるがままの心、自然な気持の傾きを生涯感じ、受け止めることのなかった母親。
互いの持つ芸術的感性が似たものであると知り、喜びに求めあうことになったのに、同じ理由から深く傷つけ合うカミーユとロダン。
時代の趨勢、世の中の基準の縛りから逃れられずに、自分の目で見て感じた通りを自分の価値観とすることができずに、結果いわれのない風評や噂話に荷担している大方の人々。

主演、助演の5人以外の男女それぞれ数人ずつは、各種登場人物を担うばかりでなく、コロス的な役割を、巧みな演出で演じていきます。大きな舞台の転換はないのに彫像の乗った台(コロがついている)をこの人たちが動かしながら、各場面をつくりだします。ナレーション的な役割、効果音としての歌唱と八面六臂の活躍ぶりでした。
舞台上にはロダンが制作依頼を受けて、思うように捗らずにいる「地獄の門」が置かれ(写真右端)一枚の布で隠すことで場面転換がはたされます。美術の松井るみさんに拍手!

パンフレットで、ミュージカルナンバーの作曲者フランク・ワイルドホーンは、社会学者ケン・モリス氏に「次はぜひ日本の恋人たちのドラマを作品でつくっていただきたい」と問われた時「何かいい題材はありませんか」と答えています。

「光太郎と智恵子」では余りにテーマがかぶるでしょうか?

カミーユとロダンの関係に惹かれたのは、イザベル・アジャーニ主演の映画が公開され、やカミーユの展覧階が催された1980年代後半です。
それ以前に日本にロダンを紹介し、自らも彫刻家であった高村光太郎と智恵子の関係を描いた1冊の本に出会い衝撃を受けました。それまであった「無垢な魂を内在させたまま狂った智恵子を生涯愛し続けた光太郎」という光太郎が『智恵子抄』で書き世の中で定説となってしまった物語に「ちょっと待って、本当に?」と疑義をはさんだ本でした。
光太郎の作品「智恵子の首」の不気味さに注目し、智恵子を狂気へと追いやった光太郎との関係性を描いた『女の首』(黒澤 亜里子 ドメス出版 1985年初版 品切)です。
1886年生まれ、カミーユに遅れること22年して生まれた智恵子が東京で洋画家をめざす決意は、パリでカミーユが受けたのと同様の「女だてらに」という世間のバッシングをその身に受けてたつ決意でもあった筈です。
ところが、はじまった共同生活では、家事雑事の負担はすべて智恵子の肩にかかってきて、創作にかける時間は削がれていきます。

統合失調症でカミーユと同じ49歳の時にゼームス坂病院に入院。智恵子が残した紙絵の色彩感覚、対象へのアプローチのユニークさを見ると、内在する天賦の才のただならぬことがわかります。何年か前に、以後、外に持ち出されることはないだろう、という智恵子の紙絵を展覧会で見ることができました。洋画を描き続けることがままならなくなった智恵子の苦悩を思いながら…。

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日帰り東京その5目的本命は…

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井上芳雄くんの歌唱力、演技力にぞっこんです。「今」の輝きを心に留めておきたい、と思っています。
チェコで生まれたロックミュージカルの「ハムレット」、めいっぱいシャウトするかと思えば、ファルセットで優しく歌う、狂気を孕んだ言動も、内奥に向き合おうとする真摯さも演じて見事でした。
12 : 04 : 40 | ミュージカル | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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